おはようございます。こんにちは。こんばんは。ぽめおです。
今日はクリスティー・シェン、ブライス・リャン著の「FIRE最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になる究極メゾット」についてまとめていきたいと思います。
最初にこの本の結論は、次の2点だと感じました。
1.FIRE最高!!!
2.FIREを実現するには、「ミニマリスト的な生き方で貯蓄率を上げる。貯蓄はインデックスファンドを活用して運用する」
この本には、いかにFIREをして経済的自由を手に入れることが素晴らしいことなのか、著者はどうやってFIREを達成したのかが書かれています。
「FIREってなに?」「聞いたことはあるけどFIREってどうやってやるの?」という人は、参考にできることが非常に多い内容だと思います。
今回は以下の5つの要点に絞ってまとめていきます。
最近、何かと話題になっている「FIRE」とは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、「経済的自立」と「早期リタイア」を意味する言葉です。
元々は欧米を中心に流行していた考え方ですが、日本でも注目されるようになっています。
もっと簡単に要約をするのであれば、「金を貯めて、資産収入だけで生活していけるようになったら仕事を辞めて自由に生きていこうじゃないか!」という考え方です。
筆者(夫婦)は30代で100万ドルを貯めて仕事を辞め、世界中を旅行する生活をする「ミリオネア」になりました。
何故、FIREという考え方が注目されているのでしょうか。
・コロナ禍を契機に、ライフプランについて考える人が増えた
・今までの社会の基本だった「終身雇用制度」の限界が見えてきた
などなどの理由が挙げられると思います。
かく言う僕自身も、「60歳なのか65歳なのか分からない定年まで働いて、そこから自由な時間が増えるというのはどうなんだろうか。」「その頃には自分がやりたいことをやりまくれる体力があるんだろうか。」と思っていた頃に、この考え方を知りました。
FIREのメリットは「時間や場所に縛られることなく自由な生活を送れる」ということに尽きるのではないでしょうか。「生活のために働かなければ」という考えから、「働かなくても困らないけど、面白いことなら働こうかな」という考え方ができるだけで、人生の自由度はかなり上がると思います。このメンタルセットができるだけで、もう勝ちではないでしょうか。
FIRE達成のために必要なこととして、筆者は以下の点を述べています。
- 欠乏マインドを持ち、お金に対して貪欲になること
- 目標金額は「4%ルール」から逆算して決定する
- ミニマリズムを実践して余計な支出を削り、貯蓄率を上げる
- 貯蓄はインデックスファンドで運用して着実に資産を増やしていく
- 資産が枯渇することを防ぐために、「現金クッション」と「利回りシールド」を用意する
1つずつ整理をしていきたいと思います。
欠乏マインドについて、筆者は「何かが不足しているとき、それはあなたの生活において最も重要なものになります。」と述べています。つまり、「飢えていること」が重要であるということですね。
「お金を増やすためには、お金に飢えている必要がある」のでお金に貪欲になるということがFIREを目指すために重要であり、近道であるということです。
FIREを目指すうえでの次のポイントは、「じゃあ自分はいくら貯めればFIREできるの?」ということだと思います。これについて筆者は4%ルールに沿って必要な資産を計算すると述べています。
4%ルールとは?
4%ルールとは、退職プランと経済理論を研究したトリニティ大学における論文が基になっている考え方で、「ポートフォリオの4%の資金で1年間の生活費を賄えれば、貯蓄が30年以上持続する可能性が95%である」というものです。
(米国株式市場の成長率7%とインフレ率3%の差に基づいていて、米国株式を中心に資産運用を行なえば、年間4%程度の利益を見込むことができるという、米国の経験則から生まれたルールです。)
要は、「運用で4%以上増やして、その4%分を生活費にすれば元本減らないで生活できるじゃん!」ということです。
(例)月の生活費が20万円の場合
20万円×12ヶ月=240万円
240万円を資産の4%で賄うとすると・・・
240万円÷4%=6,000万円
→月の生活費が20万円の場合は資産が6,000万円必要
「6,000万円も早々に貯められるわけないじゃないか!」というお声もあるかと思いますが、これは完全にFIREする場合のシミュレーションになります。
完全にFIREすることだけがFIREではない(文字にすると滅茶苦茶)ということを筆者が述べていますので、これについては後述します。
筆者は、FIREに必要なことは年収ではなく、「貯蓄率」であると述べています。
(ちなみに筆者は6桁ドルを稼ぐ高給取りです・・・)
支出を削る方法としては、筆者は以下の4つのステップを挙げています。
①自分自身を幸せにしない基礎的な支出を削る
→銀行の手数料、使っていないサブスクの解約、電話料金など
②痛みの伴う支出を削る(人間慣れるものだそうです)
→外食、友人と外で遊ぶ、行かないジムの会員費など
③車など所有している高額な物を減らす
→車、家(持ち家にしないという意味もある)
④自分にご褒美を与える
→本当にやりたいことは予算の範囲内で我慢しないでやる!
本書には書いていませんが、要はミニマリズムを実践することなんだろうと思います。
不要なものは手放し、自分にとって本当に必要なものだけで生活をすれば、必然的に基礎的な支出は減っていくはず。そして貯蓄率を上げることでFIREに近付くということですね。
「支出を削って貯蓄を増やすことが必要なことは分かった。じゃあどうやって貯蓄するのがFIRE達成のために重要なのか?手っ取り早い方法はないのか?」という考えになると思います。
これについて筆者は「インデックスファンドでの運用」を推奨しています。
インデックスファンドでの運用については、記念すべきぽめおブログ第一号で「敗者のゲーム」という本を取り上げていますので、そちらを読んでみていただければ幸いです。
やっぱりインデックスファンドは大正義なんですね。
インデックスファンドで貯蓄はするものの、それには「相場変動リスク」が伴います。
実際に資産を貯めて仕事を辞めた後に、相場の下落局面に遭遇してしまった場合、自分の資産は減少していくことになると思います。その際に自分の運用資産を売却してしまうと、損失が確定してしまうため、それは避けたいところです。
それへの対応策として筆者は「現金クッション」と「利回りシールド」の用意を提案しています。
ここではそれぞれ簡単に説明します。
「現金クッション」とは、「金利の高い預金口座に貯めておく現金」のことです。
先ほど述べたように、下落相場になったときに生活の為に資産を売却することがないようにする準備金のことです。
筆者が過去に株式市場が暴落から立ち直るまでに要した年数を調べたところ、年数の中央値は2年であり、世界恐慌の際には5年であったでした。そのため、5年分の現金クッションさえあれば嵐を乗り越えることができるということです。
「5年分(上の例だとすると1,200万円)も現金で用意しないといけないのか・・・」となってしまった方もいると思います。僕は絶望しました。
ただ、実際にはそこまで準備しておく必要はありません。ここで登場するのが「利回りシールド」です。利回りシールドとは、ETFなどが支払う分配金(配当と利子)のことで、資産を売却することなく現金として手に入るものです。
本書では例として優先株、不動産投資信託、社債、高配当株が挙げられています。これらが支払う分配金も合わせてプールしていくことで、5年分を丸々用意する必要はないということです。
これらがFIRE達成のために必要なことです。
もう一度整理すると、
- 欠乏マインドを持ち、お金に対して貪欲なること
- 目標金額は「4%ルール」から逆算して決定する
- ミニマリズムを実践して余計な支出を削り、貯蓄率を上げる
- 貯蓄はインデックスファンドで運用して着実に資産を増やしていく
- 資産が枯渇することを防ぐために、「現金クッション」と「利回りシールド」を用意する
ということになります。
先ほど、1年間の生活費を20万円とした場合に必要な資産は6,000万円という話がありましたが、それだけの資産を早々に築き上げられる人は限定的ではないでしょうか。
FIREは一部の人にしかできないものなのでしょうか?
筆者は答えは「否」であるとしています。
耳なじみがある方もいらっしゃるかと思いますが、FIREには他に以下の戦略があります。
- サイドFIRE
- パーシャルFI
- 地理的アドビラージ
<サイドFIRE>
サイドFIREとは、「リタイア後」も副業によって100%経済的に自立していなくてもFI(経済的自立)の果実を享受できるという考え方です。
先ほどと同じ例で考えてみると、以下の通りになります。
(例)月の生活費が20万円の場合
20万円×12ヶ月=240万円
副業で毎月10万円の収入があるとすると
10万円×12ヶ月=120万円
不足分を資産から捻出するとすると
(20万円-10万円)×12ヶ月÷4%=3,000万円
→必要な資産は半分の3,000万円で良くなる。
<パーシャルFI>
基本的な考え方はサイドFIREと同じで、仕事をパートタイムの仕事やセミリタイアすることで、FIの自由や柔軟な働き方を享受できるというものです。
個人的には、これも含めて「サイドFIRE」と呼んで良いのではないかと思います。
<地理的アービトラージ>
地理的アービトラージとは、物価の安い国でリタイア後の生活を送ることで必要な貯蓄額を大きく減らすことができるという考え方です。
これにより、リタイア後の生活費が抑えられるため、収入が高くなくても早くFIに到達することができます。
筆者はエンジニアとして日本円にして年収1,000万円プレイヤーで、完全なFIREを達成しているが、これについては全員が全員実現できるものではないなと正直思いました。
ただ、サイドFIREであれば、実現可能性はグッと高くなるのではないでしょうか。
「週に5日間1日8時間超の労働から抜け出すことができる」という心持ちがあるだけで、相当なストレスから解放される気がします。
本書で個人的に刺さったフレーズは、「お金は血を流す価値はあっても、死ぬほどの価値はない」というものです。
FIRE否定派の方々は、「自分がやりたい仕事をやっていれば、そもそも辞めたいなんて選択肢は出てこない」だの「FIREなんて考えは甘えだ」ということを言うと思います。実際にそんな記事もたくさん読みました。
ただ僕は「月に10万円ぐらい稼げれば余裕で生活できるわ」という状態を目指したいなと思いました。
「今のまま、いつまで働くんだろうか。もっと楽しいことをしたい。」という人は、FIREという選択肢を持ってみてはいかがでしょうか。
一緒に頑張りましょう!