おはようございます、こんにちは、こんばんは!
どうも、ぽめおです。
今回は、モーガン・ハウセル著『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』についてご紹介したいと思います。
「富」のマインドセットに必要なことや具体的なアクションプランが知りたくて読んでみたところ、本当に多くの学びがありました。
ここでは、この本を読んだ私なりの結論をお伝えします。
「資産運用の軸を明確にし、それを長期的に貫くこと」
近年、資産運用が広がりつつありますが、SNSではデイトレードを中心とした刺激的な投稿が目立ちます。資産運用に興味はあるものの、一歩を踏み出せない方もいるのではないでしょうか。そんな方々の参考になれば幸いです。
どうぞ最後までお付き合いください!
目次
【What】「富」のマインドセットに必要なことは何か?
本書は、「富の築き方」ではなく「マインドセット」に焦点を当てており、いわゆるハウツー本とは一線を画しています。
タイトルが「サイコロジー・オブ・マネー(お金の心理学)」である理由を、著者は次のように説明しています。
『経済的な成功は、何を知っているかよりも、どう振る舞うかが重要な「ソフトスキル」の問題なのだ。このソフトスキルを「サイコロジー・オブ・マネー(お金の心理学)」と呼んでいる。化学や物理学とは異なり、複雑で測定が難しい人間の心理や行動が関わっているからだ。』
人間の行動や判断は、過去の経験に大きく影響されます。そのため、万人に当てはまる投資手法は存在しませんが、根底となる考え方(マインドセット)はある程度共通しています。本書のテーマは、この「考え方を学ぶこと」だと感じました。
私が必要だと思ったポイントは以下の2点です。
- 「足るを知る」こと
- 数学的な正しさよりも、自分が納得できる合理的な思考を持つこと
「足るを知る」こと
「足るを知る者は富む」という中国の古典『老子』の教えがあります。自分が持っているもので満足する心こそが真の豊かさであり、「上には上がある」という言葉通り、上を追い求めるだけでは限りがありません。
どの程度の「富」があれば自分にとって十分なのか、どんな生活を望むのかを明確にすることが「富のマインドセット」のスタート地点となるでしょう。
数学的な正しさよりも納得できる合理性
本書では「合理的>数理的」との表現が使われていますが、人は最善策よりも腑に落ちる方法を選びがちです。例えば、好きな企業を応援したいから個別株を持つなど、自分にとってしっくりくる方法であれば、長続きしやすいものです。合理的で腑に落ちた方法こそが、長期投資のマインドセットにおいて重要だと思いました。
【Why】なぜ思考の軸を明確化する必要があるのか?
私がこの本から得た「思考の軸の明確化が必要な理由」は以下の3点です。
- ファイナンスには正解がないから
- 軸がないと長期的な継続が難しいから
- 軸がないと他人の言動に惑わされるから
1. ファイナンスに正解がない
ファイナンスの世界には唯一の正解がなく、「自分にとって合理的な答え」しかありません。正解が存在しない世界で迷子にならないためにも、自分のゴールを明確にすることが大切です。
2. 継続の難しさ
「投資の神様」ウォーレン・バフェットも、資産の多くは60歳以上で増えたと言われています。彼の成功は、優れた投資家であり”続けた”結果、複利効果が資産を増加させたことにあります。複利の力を最大限に活用するには「長期的な継続」が必要であり、それを支えるのが自分自身の軸です。
3. 他人の言動に惑わされないため
本書では「別のゲームをしている人の言動に惑わされないこと」が重要だと述べられています。
ここでいう「別のゲーム」とは、僕のような長期運用をしている人からすると「短期的なトレーダー」がやっている運用手法を指しています。「資産運用」というジャンルは同じですが、短期と長期ではその中身は全くと言っていいほど異なってきます。
短期トレードは華やかに見えるため、長期投資の視点がないと目移りしてしまいます。軸を持つことで、惑わされずに自身のビジョンを追求できるのです。
【How】お金に困らないマインドセットをどう作る?
「自分に軸を持つことが大切なのは分かった。じゃあどうすればいい?」と思われるかもしれません。ここでマインドセットを作る3つの観点をご紹介します。
- 代償を理解する
- 誤りの余地(バッファ)を持つ
- 自分自身と対話する
1. 代償を理解する
資産運用において、ボラティリティは恐怖の要因です。本書は「リスクと運はドッペルゲンガーである」と述べ、運とリスクが共存することを理解する重要性を説いています。長期投資では日々の値動きは関係ありませんが、ボラティリティを将来の利益のための代償と理解することで、過度な恐怖を避けることができます。
2. 誤りの余地(バッファ)を持つ
失敗は必ずしも避けられるものではありません。現金を一定量確保するなどのバッファを持つことで、予想外の事態にも対応でき、安心して資産運用を続けることができます。
「誤りの余地」の具体的なポイント
柔軟な対応力を養う
余裕があることで、新しいチャンスや学びを柔軟に取り入れられるのもバッファのメリットです。 計画通りに進まないときにも、リスクを最小限に抑えつつ軌道修正ができる力を養えます。
変動に対応できる心の余裕
資産運用は不確実性を伴います。すべての資産を投資に回すのではなく、一部現金や流動性の高い資産を残しておくことで、相場が急変しても冷静な判断ができ、パニックによる損失回避がしやすくなります。
生活や健康、感情面の安定
投資は金銭面だけでなく、日々の生活やメンタルにも影響します。例えば、予期せぬ出費がある場合、すべてを投資に回していると資金繰りが厳しくなることも。安定した心で投資を継続するためにも、生活費などの予備資金を確保しておくことが重要です。
運用の長期的な成功率を高める
本書では「少しの失敗は長期的に見れば大した問題ではない」というメッセージも伝えています。誤りの余地をもつことで、計画の遅れや一時的な損失があっても、長い目で見たときに運用の成功に繋がりやすくなります。
3. 自分自身と対話する
人間が幸福を感じる要因として、「人生を自分でコントロールしている実感」が挙げられます。常に自分と対話し、「自分に納得できているか」「過剰なリスクを負っていないか」を確認することで、安定した心でマインドセットを築けるでしょう。
ぽめお的感想
私の資産運用の軸は「サイドFIREを目指し、会社に縛られないお金を作ること」にあります。そのために複利効果を最大限に活用する必要があり、改めて「富」のマインドセットの大切さを実感しました。
ナポレオンが「天才的な軍人」を「周りが正気を失っている時に、普通のことができる者」と定義したように、資産運用でも淡々と続けることが大切だと感じます。
また先日、森永卓郎氏の「投資依存症」という本を読みまして、そこで森永氏は「投資はギャンブルと同じ。今の投資バブルはすぐに崩壊するから投資なんてすぐに辞めた方が良い」という趣旨の記載をしていました。投資と投機をごちゃ混ぜにした行き過ぎた悲観論だとは思いつつ、「投資バブル崩壊」という強い言葉への自分なりの反論が十分になくてモヤモヤしていました。
そんな中で、本書で長期投資家にとって『バブル』は有害ではなく、資産運用というフィールドで異なるゲームをしている短期トレーダーを参考にしてしまうことで初めて「有害」となると書かれていたのが、完全にしっくりきました。
過去の経験や読んだ本がつながり、より深く理解ができた気がします。