ぽめおです。
記念すべき本ブログの第一弾は、僕の資産運用ライフを根底から支える考え方を教えてくれた
チャールズ・エリス著「敗者のゲーム」についてまとめていきたいと思います。
まずは、この本を読んだ自分なりの結論です。
「インデックスファンドを活用した長期分散投資こそが大正義である」
以前から自分自身インデックスファンドで資産運用をしていますが、何故インデックスファンドが最適なのかということをもう少しじっくり学びたくて読みました。
以下、5つのポイントに絞ってまとめていきたいと思います。
1.そもそも「敗者のゲーム」とは何か?
「敗者のゲーム」とは、TRW社の科学者であるサイモン・ラモ氏が著書『初心者のための脅威のテニス』という本の中で明確にしたものです。
テニスには二種類のゲームがあり、一つはプロレベルのゲームで、もう一つはその他多数のアマチュアのゲームであるとしています。
どちらのゲームにおいても、プレイヤーは同じ道具やルール、得点計算方法でプレーしますが、得点の仕方に大きな違いがあるとサイモン氏は述べています。
プロレベルのゲームでは、長いラリーの末、相手の手の届かないところに的確にショットを打ち込むことで勝利を掴む一方で、アマチュアのテニスは相手よりもミスショットが少なかったことで勝利を掴むもの。よって、勝つためにはスーパーショットなど必要なく、ただただ確実なプレーをすれば良いということです。
今や、インターネットの普及により、資産運用の世界は投資家があらゆる情報を共有しているため、相場を的確に把握して銘柄選択をしていくことで利益を出すアクティブファンドによる運用(勝者のゲーム)を、いかにミスを少なく運用していくことで利益を出していくかという「敗者のゲーム」に変えてしまったということです。
その「敗者のゲーム」で勝っていくためには、インデックスファンドが最適解であるというのが本書の結論です。
2.インデックスファンドの活用とは何なのか?
では、インデックスファンドとは何なのか?
ということについてです。
インデックスファンドとは、辞書的に言うと、「株価指数などをベンチマークとした指標に連動した運用を目指す投資信託のこと。通常、ファンドの運用対象はベンチマークとなる株価指数に採用されているのとほぼ同じ銘柄群で構成され、組み入れ比率も指数への影響度に応じた割合となる。」ということになります。
もっと簡単に言うのであれば、「目標(ベンチマーク)の指数にピッタリとくっついて価格が推移していくファンド」ということになります。
例えば、日経平均株価を目標(ベンチマーク)とした場合、日経平均株価が2%上昇したのであれば、このファンドも2%上昇することを目指して運用するということになります。
これとは違う運用方法としてアクティブファンドがありますが、これは目標とする指標よりも良いパフォーマンスで運用しようとするファンドです。(詳細は割愛します…)
インデックスファンドは、ベンチマークに沿って上下するファンドであるため、ある意味「市場」を的確に表現していると言うこともできます。
その市場というのは、多くのトッププロの「売った」「買った」の投資判断が集結したものです。
インデックスファンドは、「トッププロの投資判断を簡単にまとめて採用したもので、投資のドリームチームを結集したもの」であると著者は述べています。
先にも述べた通り、「敗者のゲーム」においては、「とにかくミスをしないこと」が重要になってきます。インデックスファンドで運用することにより、「特定の誰か(だいたいはファンドマネージャー)」の投資判断による影響を抑えることができることがメリットです。
自分もインデックスファンドで運用していますが、自分の意志で市場に勝ってやろうという運用ではないため、ある意味で「非常に面白くない」運用です。
すぐに大儲けしたい!というニーズには応えられない運用ですが、じっくり待てる人にとっては効果が高い運用方法だと思います。(今のところ自分自身も大きく利益が出ています)
3.なぜインデックスファンドが大正義なのか?
「インデックスファンドがベンチマークに従順なファンドであることは分かった。でも、運用するならベンチマークを上回る運用を目指すアクティブファンドの方が利益が出るんじゃないか?」と思われた方も多いかもしれません。
ここからは、なぜインデックスファンドが大正義なのかについて書いていきたいと思います。
まず大前提として、「年間成績においては、約6割のファンドマネージャーが市場平均を下回り、10年間では約7割、20年では約8割が負けている」という研究結果が出ています。
つまり、アクティブファンドは市場には勝てないということが証明されてしまっているということです。
「市場に勝てないのなら、市場に付いていけばいいじゃない」というのが本書の主張です。
投資信託を購入する場合は、購入時や運用中に各種手数料が掛かるものが多いです。
インデックスファンドは、その手数料も比較的低く設定されていることが多く、長期投資にも適しています。(塵も積もれば何とやらです)
4.どのように運用していくのが良いか?
資産運用は、値動きがあるものなので、運用期間中に資産がマイナスで推移していくこともあります。では、運用中はどのようなメンタルで過ごせば良いのでしょうか?
本書は、運用中の考え方についても書かれています。
結論は、「一時的なマーケットの変動など気にせず、当初の運用目的を一貫して感情をコントロールする」ということでした。
元も子もないじゃないかと言われるかもしれませんが、これが真理だと私も思いました。
最近は「ほったらかし投資」という言葉もよく聞かれますが、良くも悪くも気にしないことが運用においては最高の結果をもたらすことに繋がるいうことです。
筆者も、「個人投資家にとっての最大のリスクとは、相場の暴落ではなく、恐怖に駆られて相場の大底で保有株を投げ、損失を確定させてしまうことである」と述べています。
積立投資においては、相場下落局面は予定よりも多く積み立てることができるチャンスでもあります(ドルコスト平均法)。
将来に向けて投資すると決めたら、それを貫いていくことが大切だと思います。
5.ぽめお的感想
本書に限らず、最近は「インデックスファンドでの長期分散投資」というのが言われていますが、今もなお新しいアクティブファンドが生まれています。
アクティブファンドが絶対に悪いというものではないですが、人はいつでも夢を見たい生き物なんだなと感じます。「今回こそは違う」というやつでしょうか。
先述の通り、インデックスファンドでの運用は非常に「つまらない」です。
ただ、そのつまらなさの先にしっかりとした利益があるという自分の考えに自信が持てる本でした。
新NISA制度を受けて、「資産運用をやってみよう!」という方は、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。