こんにちは、ぽめおです!
今回は、中島聡さんの著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』を紹介します。この本は、仕事に追われてなかなか自分の時間が確保できない方に向けた、時間術の活用方法を示してくれる一冊です。
僕自身、本業がなかなか終わらず、勉強に充てる時間を捻出できない悩みを抱えていたときに、ちょうどこの本を手にしました。「ロケットスタート時間術」というキーワードが目に飛び込んできて、「これだ!」と感じました。本書を読んでみての結論はこうです。
「ロケットスタート時間術を活用して、自分の時間を効率的にコントロールする」
今回は、この本を4つのポイントに分けて解説し、最後に僕が実際に2週間ほど実践してみた感想もお伝えします。
目次
1. そもそもなぜ仕事は終わらないのか?
著者は、仕事が終わらない原因を「ラストスパート志向」にあるとしています。ラストスパート志向とは、締め切り間近に急いで取り組むという考え方。学生時代の一夜漬けのテスト勉強を思い浮かべれば、誰もが経験したことがあるでしょう。
ラストスパート志向に陥ると、以下の3つの問題が発生します。
- 安請け合いをしてしまう
- ギリギリまで手を付けない
- 計画の見積もりが甘い
これらの問題に心当たりがある人も多いのではないでしょうか。特に「計画の見積もりが甘い」という点は、自分にも刺さりました。タスクに十分なバッファ(余裕)を持たせていないため、想定外のトラブルが起きた際にパニックに陥る経験、ありませんか?
僕の場合、これが原因で仕事が終わらなかったことがよくありました。そこで著者は、「ラストスパートこそが諸悪の根源。ロケットスタートを切るべきだ」と説いているのです。
2. 【What】「ロケットスタート時間術」とは何か?
「ロケットスタート時間術」とは、最初の2割の期間で8割の仕事を猛スピードで終わらせ、残りの8割の期間で残り2割を仕上げるというものです。ビジネス書などでよく見かける「80:20の法則」に通じる考え方ですね。
著者は、すべての仕事は「どうせやり直しになる」ものだと言います。つまり、最初から完璧を目指すよりも、まず全体をざっくりと仕上げてしまうことが重要。細かい修正は後でいくらでもできるから、最初の段階では70%や80%の完成度で構わないという考えです。
ここで重要な教訓として、「兵は拙速を尊ぶ」という言葉が挙げられます。これは、古代中国の兵法書『孫子』に由来する言葉で、戦いにおいては完璧さを追求するよりも、速さを優先することが有利だという教えです。この考え方はビジネスにも通じており、仕事でも迅速に取り掛かることで、後からの修正や改善がしやすくなり、最終的な成果が向上するというわけです。
そしてもうひとつ大切な点は、「仕事を最速で終わらせてはいけない」ということ。矛盾に聞こえるかもしれませんが、実はこれが重要なポイントです。早く仕事を終わらせると、上司から次の仕事をどんどん渡され、結局は仕事が増えてしまう、という悪循環に陥るからです。
最初の2割の期間で8割の仕事を終わらせた後の段階で大切なのは、「最速で終わらせる」のではなく、「残り8割の期間を2割の仕上げ期間に使う」ことです。
とにかく「スタートで差をつけろ!」ということです。
(「コーナーで差をつけろ」ってワード懐かしいですね)
3. 【Why】なぜ「ロケットスタート時間術」が有効なのか?
「ロケットスタート時間術」が有効な理由は、仕事が終わらない最大の原因が「計画見積もりの甘さ」にあるからです。ラストスパート志向では、予期せぬトラブルややり直しに対応できる余裕がありません。そのため、納期間際に詰んでしまうことが多いのです。
ロケットスタートで早い段階から全力で取り組むことにより、余裕をもって後半の期間を使い、トラブルや修正にも対応できるようになります。
4. 【How】私たちはどのように自分の時間をコントロールしていくか?
では、私たちはどのように時間をコントロールしていくのが良いのでしょうか?
答えは簡単です。
「最初の2割の期間で8割の仕事を終わらせる。残りの8割で流しながらあとの2割を片付ける」ことです。
これは1か月単位の仕事であっても、1日の仕事に落としても同じことが言えます。とにかく「スタートで差をつけろ!」です。(「コーナーで差をつけろ!」ってワード懐かしいですね)
筆者はこの全力で駆け抜ける最初の2割期間のことを「界王拳を使う」と表現しています。ドラゴンボール世代の方はピンとくるかもしれませんが、そうでない方であれば、鬼滅の刃の「全集中」という感じでしょうか。
とにかくこの期間は、必要なことだけをやる。1日の仕事で見るのであれば、最初の2割(多くの方は午前中)はとにかくマルチタスクを排除して、メールも見ない。ただ最重要なことだけをやるという感じです。そうすると午後には界王拳の反動がきますので、残り2割のタスクを流しで取り掛かり、業務終了です。
タスクを分割して「ロケットスタート」を切る
この「ロケットスタート」をより効果的にするためには、著者が提唱するタスクの分割が重要です。大きな仕事を一度に片付けようとすると、全体像が見えにくくなり、挫折しやすくなることがあります。そこで、仕事を小さなタスクに分けることで、具体的なステップを踏んで進めることができ、達成感も得やすくなります。
たとえば、企画書作成というタスクをそのまま進めるのではなく、次のように分割します。
- 構成の作成
- 情報収集
- 下書き
- デザイン
- 確認作業
このように分けると、それぞれのステップで進捗を感じやすくなり、達成感が高まります。また、最初の2割の期間に取り組むのは、これらのサブタスクの中で最も重要な部分に集中することです。最初に8割の仕事を終わらせることで、残りの部分を落ち着いて仕上げられるようになります。
進捗管理を可視化する
さらに、タスクを分割することで進捗管理がしやすくなります。仕事が具体的なステップに分かれているため、現在どれだけ進んでいるのかが一目でわかるようになります。これによって、最初の「ロケットスタート」で成果を実感しやすくなり、モチベーションを維持しやすくなるのです。
5. 実践してみた感想
この時間術を実際に2週間ほど試してみました。結果としては、非常に効果がありました。
まず、朝早く出社すると、誰もいないオフィスで集中力が非常に高まります。上司や同僚に話しかけられることもなく、タスクがスムーズに進みました。実際にロケットスタートで午前中に8割の仕事を片付けると、午後の時間にゆとりが生まれ、結果として早く帰宅できる日が増えました。
ただ、全力を出し切る午前中は、確かに体力の消耗が激しいです。そこで、午後のパフォーマンスを維持するために「パワーナップ(昼寝)」の重要性を実感しました。著者も本書で昼寝の効果について言及しているので、今後はこれをしっかり取り入れていきたいと思っています。
本書を通して学んだ「すべての仕事はやり直しになる」「兵は拙速を尊ぶ」という教訓を忘れずに、これからも仕事に取り組んでいきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!また次回の書籍紹介でお会いしましょう。
Xもやっていますので、ぜひ遊びに来てくださいね!